そもそもいい家とは?いい家の条件

家づくりの際に誰もが願うのは、いい家にしたいということ。でも改めていい家とは何かを考えると、答えを出すのは、難しいです。まずは、自分なりのいい家を明確にするために、どのように考えるべきなのでしょうか。

  1. どこに住むかもよく考える
  2. 頑丈で長持ちするのは当たり前
  3. 基本的な性能を高めるため
  4. ばらばらな要素をどうやってまとめるのか
  5. まとめ

この記事を読むことで、いい家の基準とは何か明確になるかもしれません。以上の内容を一つづつ解説していきたいと思います。

1.どこに住むかもよく考える

家というのは、求められる本質をじっくり考えると、ストレスが少なくなるという事になると思います。暑い、寒い、料理がしにくい、デザインが気に入らないといった日々のストレスが少ないほどいい家になります。

1-1.暮らしのストレス

暮らしのストレスは、室内で完結するものと、外部環境に左右されるものがあります。

1-1-1.室内で完結するもの

料理がしにくい、お風呂が狭い、デザインが気に入らないといったものは、室内でのみ完結するので設計次第でなんとか対処できます。家事のしやすさと収納の使いやすさに配慮することで、動作感覚のストレスが減り、暮らしやすい家になります。家で長い時間を過ごし、家事を担当する人にとって、このことはとても大事です。人の動きを線でなぞったものを動線といいます。無駄な動きが生じず、動線がシンプルになるプランが理想です。動線のなかでも家事に関わるものを家事動線といい、暮らしやすさに直結します。日常生活のなかでは、動線と一緒に多くのものが動きます。キッチンならば調理器具や食材です。量や使用頻度を考えた動線と収納にするのは、設計の基本です。合理的に家事をしたい人は、炊事や洗濯等、ふたつのものごとが同時に行えるように動線を整えます。それには、洗濯物や布団を干す場所を適切に確保することも大事です。細かいことですが、毎日のことなので、些細なことが、暮らしやすさが変わってきます。

1-1-2.外部環境を利用する・対策する

すべての家は、外部に囲まれています。普段あまり意識されないかもしれませんが、外部環境がいい家になるかどうかに大きな影響が与えます。心地良い家にするためには、風景の他、風や光をうまく取り込むことも大事です。風や光は敷地条件に固有のもので、敷地ごとに状況が変わります。また、暑さや寒さの対策は非常に大事です。暑さ寒さのストレスはじわじわ来ます。暖房や冷房を使えば問題なくなりますが、電気代のことを考えると多少の不快感は我慢しがちです。家づくりを考え始めたら過去経験した暑い、寒いというストレスを思い出してください。次に普遍的な技術で、そうしたストレスを軽減することができることを認識してください。暑さや寒さについて、考えて頂きたいのは、断熱がしっかりしていない家というのは、健康を損ないます。最近の研究で多くの疾病をもつ人が断熱性能の高い家に引っ越すとその疾病が改善されるという報告がありおおきな注目を集めています。また、温度差によっておこるヒートショックという問題もあります。家の断熱というのは注意をしておくべき事です。

1-2.どこに住むか

いい家が欲しいのであれば、どこに住むかという事も忘れてはいけません。良好な外部環境ほどありがたいものはないからです。もちろん、完璧な外部環境を得ることは難しいので、ある程度は設計の中でストレスの原因となる要素を排除する必要があります。ただ買い物の便利さ、実家の近さ、通勤利便などに関しては、設計をするだけでは改善はしません。お家づくりのことだけを考えてどこに住むのかを忘れないようにしましょう。

2.頑丈で長持ちするのは当たり前

かたちあるものはいずれ壊れます。家も例外ではありません。特に日本では、家を傷める要因にあふれています。地震や台風、四季があり様々な気温があり、どこにでもシロアリがいます。こうしたことを知れば知るほど、不安にかられどこまで対策を行えば良いのか分からなくなると思います。

2-1.完璧な対策はない

大前提となるのは、完璧な対策はないということです。日本の住宅は、地震の度に対策と分析を重ね、地震に強いお家づくりの理論が発展しています。台風や雨漏りなどについても同じです。それでも、実際にそうした災害や予想だにしないことが起こって理論通りにいかないことが多いです。そうした基準のもって、法律や国の基準を参考にします。断熱等級や耐震等級などです。これらの基準は色々な実施実験をもとに策定されています。国の基準が絶対ということは無いですが、なぜそうなっているのか知ることは非常に大事なことです。

2-2.デザインを優先しない

セオリーにのっとるという事は非常に大事です。構造の不具合や雨漏れ、シロアリ被害の多くは、間取りやデザインのためにセオリーを無視して起こるものが多いです。施工会社や大工さんの知識や経験を設計に反映することができれば理想的です。基本性能を高めることを重視してお家づくりを進めれば過剰にコストをかけることなく、頑丈で長持ちする家ができるはずです。

2-3.長持ちと維持費

形あるものは、いずれ壊れるとすれば、壊れないようにメンテナンスを定期的に行う事は非常に大事です。家は劣化するものなので、メンテナンスフリーはあり得ません。ただし、維持費を抑える方法はあります。屋根や外壁は材料でメンテナンス期間が概ね決まってくるので、維持費を抑えたいなら、その期間が長い材料を選びます。例えば外壁や屋根をガルバリウム鋼板などで施工すると耐用年数が25年になります。設備については、長年市場に出回っているものが、故障も少ないと思います。実際に建材や設備を選ぶ際には、維持費だけでは決まりません。これは、デザインの好みが分かれます。完璧な選択は難しいので、要望に優先順位をつけてそのなかで選んでいくことが大事です。

2-4.家の財産価値はなんだろう

外食をしたときに、満足感を覚えるのは、支払った金額と同等かそれ以上の雰囲気や味が得られたときでしょう。このように、買い物の満足度は、支払ったお金と得られたものの関係で決まります。これは、お家もまったく同じです。では、中古戸建はどうでしょうか。中古戸建はかなりの規模で流通していますが、現在のところその価格は、ほぼ土地の価格で決まり、家そのものの評価は反映されません。そのため家の財産価値は、使っているときに得られるものとして考えるしかありません。つまり、そのお家で暮らし続けることで得られる満足度をいかに高められるかという考え方をするのが良いでしょう。基本的な性能を高め、確保することが、満足度を高めることにつながります。

3.基本的な性能を高めるため

では、お家の満足度を高めるためにの基本的な性能を高めることはどこに注目していけばよいのでしょうか。

3-1.断熱にとって窓が一番大事

お家の断熱性能を高め、暖かいお家を作ろうと思うと、窓が一番大事になってきます。お家の熱は、窓から半分以上に逃げたり、入ってきたりします。窓の性能を大事にしないことには、お家の基本的な性能を大事にすることは、非常に難しいです。窓の性能を強化することにより、結露もしずらくなります。そのことによって、健康リスクを下げられます。窓を強化せずに断熱はならずです。お家を建てる時には、どのような窓を使っているか気を付けて見るようにしましょう。

3-2.耐震性能も大事

お家の基本的な性能を高めようと思うと、耐震性能も忘れてはいけません。耐震性能を高めるということは、万が一の場合に家族の命を守ることにつながります。耐震性能に関しては、国が定める基準として、耐震等級というものが、あります。東北大震災のような大きな地震がきたときには、この等級の差が明暗を分けることにつながるかもしれません。大きな地震についものなのが、余震です。この余震によってぎりぎり倒壊しなかった、お家がくずれお家に戻ってきた住人を押しつぶしてしまうという事もあったようです。耐震等級を高くするという事は、この余震の時にも建物が倒壊しにくくなるという効果もあります。必ずしも耐震等級にこだわる必要はありませんが、気にしておくに越したことはありません。

5.ばらばらな要素をどうやってまとめるのか

家には多くの必要なものと欲しいものがあります。なかには同時に成立させようとすると矛盾が生じることもあります。

5-1.自分の中の優先順位を明確にする

家づくりを真剣に行うとこの矛盾に気が付いて、悩むことになります。家づくりは、こうした対立する要素を整理して選んでいく作業といっても良いくらいです。この問題を解決する方法はただ一つです。それは、自分自身の優先順位を明確にすることです。この優先順位は、インターネットや本での勉強に加え、直接建築会社やすでにお家を建てた方などと話しをすることによって明確になっていきます。

5-2.優先順位の普遍的な例

参考までに、普遍的な優先順位の例を書いていきたいと思います。一位が構造と断熱性能なのお家の性能といったところを一定レベルまで高めることです。二位が暮らしやすい生活動線と収納計画を考えるということです。三位はデザインや実現したいことを盛り込むという事です。まずは、お家の基本的なところを固めるということに主眼におくことで、満足のいくお家が建てられるという考え方です。

5-3.コストパフォーマンスを意識する

優先順位を決める際、コストパフォーマンスには常に気を付ける必要があります。注文住宅をするときは、多くの人が費用が限られていると思います。その中で、注文住宅を建築するということは、優先順位を決めてやりたいこと、必要なことを整理していく必要があります。その時に必ずついて回る問題がコストパフォーマンスです。やりたいことを一つやるために多額の費用が掛かり他の希望がおざなりになってしまってはもったいないです。また、気づいたら大きな追加費用になって支払い総額が思っていた以上になるという事もあります。何かを検討する時には、建築会社に費用感を確認するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか? 注文住宅は様々なことを決めていかなければいけません。その中で、難しくて迷ってしまう事も多くあると思います。その中で、この記事が迷った時の一助になればと思います。注文住宅は、一生の中で最も大きなお買い物の一つです。その中でやりたいこと、必要なことがたくさんあると思います。ですが、後々後悔しないように、まずは基本的な性能や日々の使い勝手といった基本的なところをおざなりにしないようにして欲しいと思います。皆様の注文住宅がうまくいくように願っています。

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